牛乳は身体に悪いのか? #019

こんにちは、代表の宮下です。

「牛乳は身体に悪い!」と皆さんは聞いたことはないでしょうか?

「発がん性がある!」「牛乳は子牛を育てるものだから、人間には合わない!」「ホルモン剤が多く含まれている!」

と牛乳否定派は訴えていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?

結論から言うと、「牛乳は身体に悪い」という根拠はない。

もう出オチです。(笑)

後ほど一つ一つ問題点を解説していきますが、結論から言うと適量の摂取であれば問題ありません。

とり過ぎた場合は「脂質の過剰摂取(による肥満)」や「消化不良による下痢」など問題が出てきますが、それは他の食品も同様です。

※レバーを食べ過ぎたら、ビタミンA過剰による夜盲症になる等

早速、具体的に牛乳否定派が取り上げている問題点とそれに対する解説をしていきたいと思います。

①牛乳にはホルモン剤や抗生物質が含まれている

まずホルモン剤について。

日本では肥育を目的としたホルモン剤の使用は認められていません。

※繁殖障害など医療目的で使用する場合は天然型ホルモン剤の使用が認められる

ですから基本的にはホルモン剤の影響は、”ほぼ問題ない”と考えて良いでしょう。

続いて、抗生物質について。

これは「日本乳業協会」さんのHPを見ていただくと分かりやすいです。

抗生物質の使用は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」で厳しく規制されています。

抗生物質の使用が認められているのは、牛の乳房炎や外傷などの治療時に限られています。投与後も「乳に影響のある薬剤を服用させ、または注射した後、その抗生物質が乳に残留している期間中のものは、出荷してはならない」と規定されています。

さらに、生乳の検査は酪農家から出荷されるときと工場で受け入れるときと二重に検査が行われます。万が一抗生物質が検出された場合には、集められた生乳はすべて廃棄処分されます。

日本乳業協会HPより

厳密に管理されていますし、使用した際のリスクが酪農家からしたら大きすぎるので、使うメリットがあまりないでしょう。

「だけど隠れて使おうと思えば使えるじゃないか!」と言われたら確かにそうなのですが、実際にそのようなデータはほぼ見たことがありません。

国としても24時間監視するわけにもいかないので、現実的にできる最大限の管理はされていると私は思います。

②日本人は8割乳糖不耐症で、お腹を壊す

これも良く聞きますが、どちらかというと「小腸機能の低下」によって発症することが多いようです。

つまり生まれつき、というより後天的な影響の方が強いということです。

食生活の乱れによって、腸内環境が悪化すると乳糖分解酵素が分泌されにくくなります。

よって乳糖を薄めようと水分が集まり、下痢となるわけです。

実際に乳糖不耐症が多いモンゴル人やマサイ族は、1日4~5ℓの動物乳を飲んでいても全く平気です。

腸内環境を整えることで飲めるようになる人も多くいらっしゃいます。

それでもお腹を壊してしまう場合は吸収の遅いヨーグルトやチーズなど他乳製品に置き換えてください

③牛乳内のIGF-1には発がん性がある

血中IGF-1(インスリン様成長因子)濃度と前立腺がん、乳がんなどの羅患率には相関があると報告されています。そして確かにIGF-1は牛乳を飲むと上昇します。

しかし殺菌過程でIGF-1は大幅に減少しますし、消化吸収過程で分解されます。

IGF-1がガンを引き起こすメカニズムは解明されていませんし、「仮に存在しても低いと考えられる」と国立食品環境労働衛生安全庁では結論づけられています。

④エストロゲン量が多い

女性ホルモンであるエストロゲンも牛乳に含まれていることは事実です。

ただし、血中エストロゲン量と比較して無視できるくらい圧倒的少量なので問題ありません。

  • 男性60kgの血中エストロゲン量:92000pg
  • 牛乳200ml×3杯:7200pg

ストレスによる血中エストロゲン上昇の方が問題ですので、牛乳の心配よりもストレスのない生活を心がける方が圧倒的に重要となります。

⑤各栄養素のアンバランス

「カルシウムやリンの過剰摂取になる」と言われていますが、確かにほかの物を食べずに牛乳ばっかり飲んでいればそうなります。

でもそれは他の食品にも言えることでしょう。

大事なことは、バランスの良い食生活を心がけ、その上で牛乳を摂取することでより健康的な食生活へと繋がります。

牛乳はビタミンAやDを多く含んでいますので、むしろ食事に適量取り入れることを推奨します。

ただし、飽和脂肪酸も多く含んでいますのでダイエットをしている方は要注意です。

代わりにキノコ類やホウレン草、ニンジン等を食べてビタミンA及びDを摂取していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

単純にネットからの情報を鵜呑みにするのではなく、科学的事実を並べて客観的に判断することが大事です。

これから栄養の記事も多く書いていきますので、是非ご期待ください^^

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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